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夢でも金でも何でもない

2007年6月30日 00:57

何かが欠けてる それでいていつも何かに満たされている 毎日まいにち同じことを繰り返しているようで きっと何かが欠けてて何かが満ちてる そんななかに生きている たまった仕事を机の上からドロップキックするように がむしゃらにただやっつけていく 書類の山にデータの川に 珈琲はロープだ 煙草はタオルだ 捺印するのは俺の靴だ ぶっ壊せ!ぶっ壊せ!ぶっ壊せ! ただ浮かんで揺れてるだけの 不満だらけの腐った自分を 凝り固まった日々のしこりを そして欠けた満月を 白々しいよ今さらそんなの 誰もがみんな金が欲しくて 生きてく以上に、必要以上に働いて それでももっと働いて 年末ジャンボをせっせと買う フォローなんて何もない 何が欠けて何が満ちていってるんだろ 満ちた分だけ欠けていくのか 欠けた分が満ちているのか だからそれがなんなのか 満ちても欠けても生きていく...

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1人掛け

2006年8月 9日 18:07

交差点も坂道も平らな道も歩き疲れて それでも歩いてフラフラんなって もう立ち上がれないかもなんて感じたら すぐに栄養補給しなくちゃな 単純明快 欲しいものを欲しがってんだ 愛も夢も優しさも たまには補充しなくちゃな 家族や友達 恋人も みんなみんな淋しがって 誰かと一緒にいたいんだよな 特別なんて何もないさ いつも同じもののなかに埋もれて 息が詰まりそうになりながら いつも同じものを求めてんだよ 時にはその肩の力を抜いてみてさ おぼつかない足取りのままでも 支えてくれる誰かが欲しいんだよな 1人用の椅子でも 2人で座らせてくれる人がいいんだよな 窮屈だけど不思議とそんなふうには感じない 2人で同じものを見てられる そんな気がしてくるんだよな 優しんだよな そういうのがさ...

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「星がきれい」

2006年7月26日 19:47

車を降りてつぶいやいた 「星がきれい」 閉まるドアを待たずに駆け出した むこう側には何もないけど 闇が怖くなくなった こんなにも星がまたたく夜は 星の上を踏むように 冷たい地面に星座を作る こんな夜は月はなくても構わない 一人で星と戯れる 乱れた足のつま先があちらこちらで小石を蹴り 靴のかかとが草を滑る 伸ばした腕が風を受けて 溶け合うような星たちが弾んだ息で寝静まる そしてそっと心の音色に瞳を閉じる 純粋に ただ純粋に 「星がきれい」...

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ありふれた時間

2006年6月 6日 21:36

見慣れた街に雪が降る 歩くたびに鈴蘭の花が凛と音をたてそうで つかめもしない水でさえひび割れしそうにガラスを包む だけど君は白い服で笑ってる 向かいの小さな喫茶店 帰る時間をいつもそこで刻んでる だけど今は空を見上げてくれる 君の腕時計も今は僕のコートのポケットのなかだから いつもよりもほんの少し君は深く 僕の腕に抱かれてく ほかには何もない時間 君と僕と今は雪 いつもと同じ君なのに いつもと違う君がいる 音もなく静かに雪が降りつづく きっと窓のむこうじゃ同じように時も積もって 予約しといた高級フランス料理さえ 今ごろ雪だるまみたいにされてるのかな 君もいつの間にか眠っちゃったね でもいんだ そんなことはどうでもいいんだ 君をこのまま抱きしめたい だけど今はこのまましばらく寝ていてほしい 何度も同じ話を繰り返したり お互いの変わらなさを笑ったり この手 この肩 この口唇 いつ...

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夜空の太陽

2006年5月16日 04:00

特にこれといって何もない日。 だけど今日はぼやけた月がにじんでた。 あとは何も変わらない。 いつもよりもにじんだ月。 いつもよりぼんやり明るい月明かり。 影もぼんやりにじんでた。 伸びることなく縮まることなく、ただそこに。 ただいつもとなにも変わらぬ月の夜に、いつもよりぼんやり明るい月明かり。 今このときに、この世界で、同じ月を見上げる人がどれだけいるのだろう。 決して俺ひとりなんかじゃないはずだ。 同じ今じゃなくたって、きっと1度は見上げてくれたかな、この月明かり。 このぼんやり明るい月明かり。 なんか太陽よりもまぶしいや。...

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ゆっくりと

2006年5月12日 23:01

死を待ち 心揺れて 絶望 失望 ただひたすら死に向かって生き急ぐ きっとそこには何もない 何も見つからない きっと誰もが何かを探し歩いてる 光 心揺れてふたたび 忘却 喪失 生きることのつらさを抱えて生き急ぐ でも急いだからって それが早く見つかるわけでもない 死はきっとゆっくりと光のように射しこんでくるのだろう 来るなら来い ぼくは急がない...

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MY BOOK

2006年5月 3日 09:01

本屋さんで本を手に取る。 なんとなくだ。 理由なんてない。 意味なんてものもない。 1度読みはじめてしまった本を、その途中で読むのをやめるなんてできはしない。 先が気になる。 これからどうなる? たとえそれまでが退屈な話でも、それを知っているからその先も知りたくなる。 何があるかわからない。 神すら知らない先がある。 そのなかを進んでいる人にしかわからないものがある。 そのなかを進んでいる人にしかわからないことがある。 その物語には、神の出てくる光の幕はどこにもない。 本に名前を呼ばれたわけじゃない。 だれかに頼まれたわけでもない。 理由なんて何もない。 意味なんてものも、きっとない。 ページを、その1枚をめくるたび、物語も1枚先に進んでゆく。 ページを1枚めくるたびに、先に進める。 そこには先がある。 まだ知らない先がある。 笑えることもあるだろう。 泣くことだってあるだろ...

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未練

2006年4月11日 01:08

未練なんて何もない ただふと意味もなくさりげなくあなたを思いだすのが多くなっただけ そんなときはわたしの好きな歌を聴いてみるけど それはいつの間にか2人で聴いたあなたの大好きだった歌 いつの間にか現れて いつの間にか消えてった 理由なんてわからない うしろ姿を追うだけでそれさえ探す余裕もなかった この小さな胸の奥であなたを想い 自分のためにもあるはずのわたしの心のなかにも ゆとりがなくなりかけていた あなたがあふれすぎていた 自分のものをあなたに捧げすぎていた 受け取るものはあなたのぬくもりだけでいい 現実なんてありもしなくて まるでそこから逃げるように鬼ごっこ わたしは鬼 そして違う あなたを追い わたしを追った でもあなたが去ったとき わたしは自分だけを追っていた 自由を手にするわたしの理由を探すために あなたの抜け殻さえも見つけられずに 憎むこともできなかった これだけ...

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