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“存在” ── この字の読み方。
2007年4月26日 01:21
僕は君が思ってるよりきっと強いよ だけど僕が思ってるよりずっと弱いんだ 君は弱い すごく弱い 僕が思ってるよりずっと弱い なにか些細なことでもすぐに涙があふれたりたり 痛いところを突つかれたらすぐムキになって怒ったり そういうんじゃなくて 違う 具体的に言ってあげる 君は走れないんだ いつものんびり歩くだけで止まれもしない 時には急ぐことが必要だとも思ってない ここぞってときの一歩も踏みとどまっていて だからって引き下がりもしない 勢いをつけるだけで少し揺れるだけなんだ それは不安という名の原動力 だけど君は動じない それ以上に迷ってるから 自分がつけた勢いだけでなんだか満足してしまってるから それ以上に自分がしたいと思うことを どこからともなく見つけだしては そこに逃げてくだけなんだ 何一つまっすぐ見れない 何をしても何を言っても いつも君はグズグズだ そしてそこで満足して...
焼ける唇
2007年3月28日 08:03
どんな顔をしてんだろう? 目を閉じて また開けて 永いようで短い夜が明けてくように そっと唇も開きかけて まるで蜂蜜のようなその甘いやわらかさ ほんの少し僕も濡らして 糸を引くほどの余韻だけを残して また少しぬくもり重ねて まるで花びらがひらりひらりと舞い降るように 少しずつその唇が移ろい揺れる 目を閉じて思い描けば 空気だけではひどく冷たい その吐息や唇が燃えるように熱いから 唇がそっと離れていった瞬間 想い出までも消えてしまいそうで その唇を見つめてしまう 触れてしまう 指でゆっくりなぞってしまう それがすべてであるかのように この唇になにを含んだ? この歯はなにを噛んだ? 舌の上ではなにを上手に転がした? ただ眺めているだけで 焼けるほどの唇で...
NEWS PAPER
2006年5月31日 05:50
風に揺れる新聞紙 また今日という日が流れてゆく また今日が昨日になり 明日がいつの間にかやってくる いつかはいつかのままになる 僕はまた強がるだけで今日を越えた 自分の弱さを1つ1つ確認させていくように 自分の無知を自慢するように 自分のだけの物差しで 他人の尺度で 僕の歩幅を測ってる 自分の弱さは隠せはしない 強がることでそれを知る 自分が一番わかってる 人は弱さの結晶だ 強がることで崩れてゆく ムリをして それがいつの間にか馴染んでしまって 人の弱さにも気づけなくなる だけど強がることをやめてしまうと きっともう明日の新聞はやってこない 今日の日付を確認しながら 生かされている文字を追いながら 自分の無知を補いながら でも読み終わればすぐに捨てられるんだ...
三つ葉
2006年5月31日 00:18
そこにはたくさんの三つ葉がある 細い茎にただ葉っぱが3枚くっついている 寄り添うように そして守るように 普段はまるで気づきもしない そこを通りすぎるときは全部がただの緑色 もし1つが枯れていてもそれもきっと同じ色 急いでいるなら忘れている いつもあたり前のようにそこにあるんだ ある日 そこで四つ葉を見つけた たった1枚小さな葉っぱが増えただけ だけどたった1つだけ それは僕がその日に初めて改めて その存在に気づいただけ うつむいたまま歩いていたら ふっと気づけただけのこと 僕はそれを「幸せ」と呼んだ 風に揺れる三つ葉のなかで...
海に背いて
2006年5月19日 05:50
きらめき感じた瞬間だった 首だけ向きを変えて振り返ったら海があって そこにはやわらかな陽射しを照り返す光の海があったっけ ぼくはそこに背を向けて 潮風に打たれて小さな波を作る草原を眺めていた その波は果てしなく 見えなくなるまで続いてた 背中には海の香りを運んでくる 耳にはさざ波の音を打たせてくる ただ感じていれればいい 海岸沿いを走るより 見果てぬ海のむこうを眺めるよりも 今はこうして君を抱いていたい 今ぼくの腕のなかに海より優しい君がいる そっと伸ばした腕のなかに君を抱ける距離にいるなら 光の海より優しい君を 静かな海より優しい君を 揺れる花より優しい君を 君はぼくの肩越しに大きな海を見てればいい ぼくはそんな君を感じられればそれでいい ぼくは海を見に来たわけじゃない ただ感じていれればいい...
青色の水
2006年5月17日 05:07
それはまん丸の花瓶のなかに入っている。 いつも倒れそうで倒れない丸い円い花瓶の中に入ってる。 大きく揺れることもあるだろう。 静かにたなびくこともあるだろう。 もしかしたら、それはもう倒れてしまっているのかもしれない。 倒れてないとは誰にも言えない。 ただ青色の水がそこにはある。 もしかしたら、花瓶すらないのかもしれない。 それがあるとは誰にも言えない。 見えるものがすべてじゃない。...
ぬくもり
2006年5月10日 20:56
ふぞろいな草が風を受けて揺れている 風にも名がない 草にもない あてもない風に揺れる名もない草 なにかを待ってるわけもなく なにかを追ってるわけでもなく ただそこで揺れている 今日の風を受けては明日も風に吹かれてる ただの情景描写と思うけれど きっとそこになにかが重なり 自分にしか見えない景色が映しだされる 壊れかけた映写機に途切れたいつかの時間を呼んで 色褪せた心のフィルムを起こさせる 流れはじめた映像にはいつもの情景 道 車 交差点 人 友達 恋人たち 自分の部屋のちょっと大きな窓ガラス そしてそこから見えるありふれたいつもの景色 いつもの景色とすれ違うたび 僕はなにを重ねるだろうか なにがそこに重なるだろうか いつもの見慣れた景色なのに いつも違うと感じるときがある そんなことがある そこにはきっといつもの景色なんだけど いつもはそこに映らない何かがそこに映っ...
ぼくはここにいる
2006年4月26日 20:57
汚れたままのその鏡 光を閉じるその扉 闇を切り取る大きな窓 景色をにじますこの夕陽 きみの影 小さすぎたあの枕 形のゆがんだ水色のクッション ほのかに揺れる椅子の背中 夕陽に向かうこの自転車 きみを感じたその温かさ 追いかけて 待って 涙が枯れて ぬくもりも消え 胸が痛い きみはもういない でもぼくはここにいる...