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月と道
2008年9月 9日 05:42
いつか屋上でふたり並んで寝転んだ夜 きみの鼻先に止まった半分の月 ぼくはそれが欲しかった 今はあまりに広く限りなく 果てのないぼくの前 道なき道ができてんだろう ぼくはそのなかをきっと歩いていくんだろう 振り返ればそこには道があって きっと足跡が作った影なんだろう あまりに細く節くれだって 何度も同じ場所で立ち止まっていたんだろう なにもないのはすごく怖い 海の上を歩くような 土の中を泳ぐような 海も土も闇じゃない きみは夜空を見上げてたのに ぼくにはじっと月を見つめているようだったんだ 明日も未来もその先も きっと見失ってしまってた お互い違う場所を見ていたんだ この先のどこかに行き止まりはあるのかな そこで終わる そして始まる ぼくの前 きみのうしろ どこまで行けばいいのかな ふたり並んでいいのかな そしたらいつかまた見失っていくことが増えそうなんだ ずっと見つめていたは...
腕
2007年4月10日 01:14
なんだかやけに天気がいいけど 今日はなんとなく君と閉じこもって過ごしたい 話そう 君を話そう 僕の知らない君の過去も 君が描く未来の姿も 君のすべてを見つめていよう 知らないことを話すとき そして聞くとき 君はなにかを思い出そうとするように なにもないところを見上げるね そして少し猫背になって 嬉しそうに笑うんだ 少し寒いと木洩れ日のように差し込む窓際へ 子供のように這っていくのも今は恥ずかしくないんだね 凛とした顔立ちも隙のないたたずまいも 君の内面までは隠せないさ そやって自分だけで勝手にどこかへ行ってしまうのも 突然まったく関係のないことを考えては話しだすのも いつも僕の腕から離れたあとで 決まって僕に微笑みかけるんだ 君は窓の外のなにかを眺めてる 僕は君に寄り添ってそっとその背中を抱きしめる 君は僕のその腕を見つめながら 掌でゆっくりなぞって手をにぎる そしてまたなに...
焼ける唇
2007年3月28日 08:03
どんな顔をしてんだろう? 目を閉じて また開けて 永いようで短い夜が明けてくように そっと唇も開きかけて まるで蜂蜜のようなその甘いやわらかさ ほんの少し僕も濡らして 糸を引くほどの余韻だけを残して また少しぬくもり重ねて まるで花びらがひらりひらりと舞い降るように 少しずつその唇が移ろい揺れる 目を閉じて思い描けば 空気だけではひどく冷たい その吐息や唇が燃えるように熱いから 唇がそっと離れていった瞬間 想い出までも消えてしまいそうで その唇を見つめてしまう 触れてしまう 指でゆっくりなぞってしまう それがすべてであるかのように この唇になにを含んだ? この歯はなにを噛んだ? 舌の上ではなにを上手に転がした? ただ眺めているだけで 焼けるほどの唇で...
淋しさの居場所
2007年2月22日 06:04
このこみ上げてくる優しさって 一体誰からもらったの わからないや 見えないや 誰にも 僕にも この感じる優しさって 一体どこからやってくるの わからないや つかめないや きっと 僕には 誰かを傷つけてまで 欲しがっていた 僕のなかに眠らせた 淋しさの居場所 きっとそれは 心のなかの心であって 心のごくごく小さな破片のような部分 僕のなかのおんなじようなもの それを同じ場所に閉じ込めたんだ 誰にもそこが見えないように そして僕にも見れないように またあんなふうに 誰かを憎むようになるのかな またあんなふうに 誰かを愛せるようになれるかな ふと忘れてしまいそうな 見失ってしまいそうな まばたきさえも怖くなって それはいつしか薄れたようで 消えてしまったような気がしてた 探しつづけた答えが見つかったときのように 嬉しいようで何だかむなしくなってった 自分とバイバイしてるようで もっ...
感じる笑顔
2006年9月22日 01:01
きみが笑うとまるで目をつぶっているように きっとそやってきみは僕の心のなかを覗いているのかな きみの顔から気持ちがいっぱい いっぱいいっぱい弾けるとき その瞳を閉じて そう瞳を閉じて 僕のそばにいてほしい きみがもう二度と目を開ける必要もないくらい 僕がその手をにぎってるから きみを抱きしめる 僕はいつも君の笑顔がほしいから どうしてもこの目を閉じられなくて 怖くなる 君の笑顔が消えてしまう 君が安心して目を閉じられなくなるその瞬間 だけどきみが目を閉じてと言うたびに 僕のなかできみの笑顔が見えてくる 不思議なくらい きみを見つめているときよりはっきり 遠くで小さな雫がこぼれた音のように きっと きみの笑顔を感じてるんだね この目で見るよりはっきり この手で この胸で この心に...
A.M.
2006年6月28日 03:18
夜の空が明けてゆく たばこの煙と眺めてた星さえ隠してく どこかで踏んだ花でさえ いつかなんの気なしに眺めた水面も 運命だったと呼べるほど 大きくないし小さくもない ふと見つけた偶然だったはずなのに 想い出だとか始まりだとか それさえどうでもいいと思えてしまうほど “必然”なんて弱い言葉が胸裏をかすめる 想い出話をするたびに 未来を語っているような 残しておきたい一瞬が 写真を通して明日を見つめているような 我慢したり涙したり 些細なことで熱くなったり 気持ちさえも置き去りにして 絆の深さを確かめ合ったり なんでもないのに抱きしめ合ったり 2度目の同じ場所なのに 何度も繰り返し足を運んでみたりして 夜空に浮かぶ星座のように 変わらず今もそばにいる 天気や季節で揺れたり変わってしまっても 時間や場所ではいつも同じと信じてる いつまでも いつまでも…… いつまでも そう いつまでも...
世界中の大きな大きなチビッコたち
2006年6月26日 07:16
「意外」 必ずそう言われる。 “子供?” 俺が“好き”と口にすると、必ずそんな答えが返ってくる。 意外だろうが、案外だろうが、子供はなにしたってカワイイもんだ。 カワイイもんはカワイイ、こればっかりは譲れない。 レジ待ちのとき、子供を抱いたお母さんが隣にいると、そのお母さんには気づかれないように、俺は必ず赤ちゃんにちょっかいを出してしまう。お母さんに気づかれたときは、笑ってごまかす。そして、お母さんが視線を前に向けたら、すかさずまたちょっかいを出す。また気づかれたら、また笑ってごまかす。 正直言えば、そのお母さんには興味ない。話しかけられようものなら、お母さんの話には適度に相槌を打ちながら、もっぱら赤ちゃんと遊ばせてもらう。 しかしまぁ~… そんな光景を見てるだけで、お母さんってのは嬉しかったり楽しかったりするんじゃないかと思われる…誠しやかに勝手な単なる...
二人だけの特別な話
2006年6月23日 01:38
だれかに語れるような話じゃない ただ君を愛してる ほかの言葉が見つからない ただそれだけ 愛してる 君を愛してる ずっと知ってるわけでもない 子供のころも前の恋すら知らなくて だからこそもっと君を知っていきたい そう思う 見つめてたい 想い出も積み上げてきた時間も多くはない やっと自分っていうのがわかってきたころ 君と出逢い 不意に向き合ってしまったから ともに過ごせる時間は短くなったかもしれない だけどありふれた一瞬やほんの些細な一瞬を 大事にしたい 大切にしていこうと思えるんだ つらいことや悲しいことがあったとしても ソファに座って隣にそっと腕を伸ばせば そこには君の手があって 指があって ぬくもりがあって かといって冷たさもあって そっと僕の手をにぎり返してくれる 君の気持ちがそこにはある もう 腕を伸ばせば君がいる もう これ以上君のなにを求めよう もう こうしてたぐ...