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単なる松田拓弥
2006年8月29日 02:01
今の僕は、自分の夢に食われてる。 未来の自分が、今の自分を食っている。 「作家になります」 きっぱりとした口調でそう口にするたびに、同じことを自分に言い聞かせているんじゃないかという気になる。そうやって、自分で自分勝手に築きあげた中身にしがみついて、そこが空洞になってしまうのを食い止めようと必死になっているような、そんな感覚に揺さぶられる。そして、揺れてしまう。 <僕は、本当に作家になりたいんだろうか?> 定石どおりに、ちょっと照れたように自分の夢を口にすることで、女の人にモテたいという下心なのかもしれない。雑誌で読んだし、少なからず自分の経験からもそれはわかってる。 モテたいというのを全部否定すれば、それは嘘になるけど、それも少なからずあるとは思う。そういう一面。 そこでいつも言われるのが、作家とかなら「就職して仕事しながらでもできるじゃない」だ。 ごもっとも...
まずいコーヒーでも飲めた日々
2006年4月13日 02:22
今日のコーヒーはやけに苦くて いつもより多く砂糖を溶かしこんで グルグルグルグルかき混ぜた だけどちっとも甘くなんか感じない 思えば今日は二日酔い はしゃぎ合ったぬくもりも 昨日は昨日で 昨日だけ ヒリつくような頭のなかは まどろみなのか 夢なのか それから僕は何もしない なにも見ない なにも感じようともしていない 匙に滴る雫でさえ この瞳のなかじゃ渇きだけしか映らない 僕はいつからこんなに強くなったのか なにもかもが眠れば消える 僕はいつからこんなに強くなったのか 夢も心も切り捨てて 僕はいつからこんなに弱くなったのか ただじっと全部を背負って我慢して なにもかもを忘れてしまう いつからか自分の靴を履き替えた 真新しいちょっと高価な黒い靴 ある日靴を並べてみた どんどんキレイになっていった まるで汚れることを知らないように 一体どこを歩いていたのか?...