“ 重なる ” の検索結果

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暗闇のチョークスリーパー。

2006年12月27日 03:37

 ……目覚まし時計が鳴りだした。  21時38分。  見ないまま目覚まし時計のてっぺんに設けられたボタンを押す。  スヌーズ機能で一時的に音が止まる。何分か後にまた鳴る。  そのまま反対側の腕を伸ばし、枕のそばの携帯電話を手探りする。  そのあたりに携帯電話はなかった。  ジャンバーのポケットに入れたまんまだ。  重い体を無理やり起こして、クロゼットの扉にかけてあるそこから携帯電話を取りだす。  ディスプレイを開く。  バッテリーが切れていた。  暗闇のなかまたベッドに戻り、枕に顔を埋めて下敷きになっている携帯電話の充電コードを探す。  見つけて携帯電話にプラグを差し込む。  いったん電源ボタンから指を離して、充電中の赤いランプがついたのを確認したあと、電源ボタンを押した。  電源の入る音が響いた。“切”ボタンを連打して、いくつかの起動画面を飛ばす。  アラームが終わったとい...

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いつか

自分のためにだけ

2006年6月16日 23:37

 でもやっぱり違ったみたいだ…  自分のためにこうやって毎日まいにち飽きもせず書きつづけてたのは、それは確かだ。  だけど、それだけじゃない。自分に向けてだけじゃなく、人に伝えたいことがあるから、こうやって書いてる。  それに気づいた。  自分のためだけに書くのなんて、やっぱり書いててつまらないし、息が詰まる。だからこうやって、たいしてわかりもしないホームページってやつを作ってそこに書いてってるわけだ。  見てほしい、わかってほしい、伝えたい、伝わってほしい、そう願うから、こうやって書いてるんだと思う。  “自分のためにだけ”?  今日はその文句がおかしかった。けっこう文句の垂れ流しは多いけど、ちょっと笑えた文句はこれぐらいだと思う。  まあ、変えたのはだいぶ前だけど、それにはっきりと気づいたのは今日だった。今日ほど自分がバカだと思えた日はなかった。  伝えたいことがたくさん...

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Essay
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いつか

Color's

2006年6月 3日 23:09

 好きな色は、白と黒。  白は、色じゃないから。  黒は、そういう色だから。  なんかかんやとイジッてると、結局どうしても “白黒” ってとこに行き着いてしまう… 「色がなくて美しいものは、色をつける必要がない。色があって美しいものは、色を消しても美しい。」  画像とか写真をイジッてると、いつの間にか白黒調での良さをはかってしまう…  どうしても “白黒” ってのが一番カッコよく見えてしまう。  それはなぜかはわからない…  色鮮やかなモノは、どうも苦手らしい。昔っからそうだったかもしれまいに…  単なるセンスのなさかもしれないけど、いつも葬式みたいな格好をしてたような気がしないでもない。  色味のあるものでも、たいていはくすんだ色とか、ちょっと暗い色とか明るい色とかで、原色のものを持ったためしがない。  原色が苦手だ。  新聞って、だからそれだけで絵になるんじゃないかと思う...

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Lov

2006年5月28日 19:59

セックスのたびに愛の言葉をささやかれて 耳には白々しいと聞こえつつ 心のなかでは求めてしまう そしていつしか靄にかすんですべてを許してしまいそうな 言葉が欲しい 体が欲しい 心が欲しい すべてが欲しい だけどどれか1つで我慢して 自分だけに言い聞かせてみる だけどどれか1つをつかんでしまうと 自分だけが欲張りみたいで 1度不安の箱のフタが開くと 2度と満たされることがなくなってしまう 底も消えて なにもかもが欲しくなる 戻らぬ過去さえ欲しくなる 許すだとか許さないとか そんなこともなかったころ 心を重ねた日々の影が 体の重なる闇ににじむ そこに浮かんだ音の数をかぞえながら 裏腹な心の帳尻合わせにこの体を寄せてゆく 2度目に聴いた日と同じ背中を向けてるぬくもりには いつの間にか向き合うことはできなくなってた セックスがなければこんなにも 他になにもないなんて 今の今まで知らなか...

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ぬくもり

2006年5月10日 20:56

ふぞろいな草が風を受けて揺れている 風にも名がない 草にもない あてもない風に揺れる名もない草 なにかを待ってるわけもなく なにかを追ってるわけでもなく ただそこで揺れている 今日の風を受けては明日も風に吹かれてる ただの情景描写と思うけれど きっとそこになにかが重なり 自分にしか見えない景色が映しだされる 壊れかけた映写機に途切れたいつかの時間を呼んで 色褪せた心のフィルムを起こさせる 流れはじめた映像にはいつもの情景 道 車 交差点 人 友達 恋人たち 自分の部屋のちょっと大きな窓ガラス そしてそこから見えるありふれたいつもの景色 いつもの景色とすれ違うたび 僕はなにを重ねるだろうか なにがそこに重なるだろうか いつもの見慣れた景色なのに いつも違うと感じるときがある そんなことがある そこにはきっといつもの景色なんだけど いつもはそこに映らない何かがそこに映っ...

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Poetry
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手紙

2006年4月30日 10:44

うっすらと冷たい霧が煙る朝 季節の風に包まれて 舞い上がっては静かに重なるもう1枚と 初めて書いた手紙の記憶が結ばれて 褪せた季節が彩られてゆく まるで言葉を知ってるように枯れ葉が風にさらわれて 心のなかへとにじんでゆく 風が途切れて乾いた地面にそれが落ちてしまったのは その2、3行の空白に たった1つのすれ違いを知ったとき 小さな音が氷の上をひきずったあと たった1度視線をそらした瞬間に それは大きな風となって また枯れ葉は舞い上がった 季節はめぐる 水たまりのうすい氷が溶けてみれば そこはまた冷たい風にさらされるけど もう2度と凍りつかせることはない たとえ薄くてもろくとも 閉ざされた氷の下では ただの水さえあたたかい...

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Poetry
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交差点

2006年4月18日 00:33

 そして今、その “裏切り” のない交差点に、ぼくはたたずんでいる。  見上げると、そこには大きな大きな空がある。  ふと他人に視線を向けると、一瞬だけぼくを見るか、見て見ないフリをする。  手にしたお金でなにかを買えば、それはどこかへ消えてゆく。  知っている人を探してみるけど、それはきっと影や記憶が重なるだけで、知らない人のなかに潜む小さな小さなぬくもりを探してるだけ。  見つからない。  そこにはきっと誰もいない。...

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